ボディコーティングの下処理に必ず鉄粉除去という工程がありますが、基本的に鉄粉除去剤やトラップ粘土を使います。鉄粉除去剤(鉄に反応して紫に変色するもの)だけで全て溶かして除去できるほど簡単なものではなく、除去剤で反応させてからトラップ粘土を使って剥がす感じです。しかし、上の画像のような大きな鉄粉はそれだけでは落ちません。
その場合は特殊な工具を使って一個一個(!)除去します。信じられませんが、本当なんです(笑)
こんな感じになります。工具を使った場合は研磨作業が入るので傷の心配はありません。放置すれば錆が侵食するだけなので必ず必要な工程なのです。
これは最近行ったミニバンのものですが、スライドドアのこの部分に強烈な鉄粉がありました。手作業で小一時間作業しました········
まだ作業中の画像ですが、ほとんど取れています。この後、さらに小一時間作業して下処理の一部分が終了となりました。
この画像を見てわかるように、当社の場合はコーティング作業でも必ずリフトを使って車を浮かした状態で作業しています。通常だと見えない下からの作業も出来て、目線での作業も出来るからです。
(高齢化で腰が悪くなっているせいもありますが 笑)
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おまけ
これはポルシェ993ターボで使われているk16タービンです。森本のアウディでずっと活躍していましたが白煙が出たので分解してみました。
手で持っているのがコンプレッサー側、奥のニョキっと突き出ているのがタービン側です。
もうこの時点で白煙の原因がこのタービンだと確定していますがわかりますか?
これはタービンに付いていたオイルシールです。これでオイルを止めています。オイルシールと言っても単なる金属のCリングなのです。どうしてこれでオイルが止められるのか?については長くなるので直接森本に聞いてください。
画像のオイルシールは左が正常のもの、右がこのタービンについていたものです。薄くなって全体的に細くなっています。
これはタービンシャフトのベアリングです。左が新品、右がこのタービンに突いていた不良品です。 焼けています。 『ターボ車はオイル管理が大切』というのが良くわかります。
タービンのベアリングというものは通常はシャフトに接触していません。オイルで浮いています。なので、理屈では接触しないので摩耗しない構造なのです。オイルの劣化や炭化などの汚れ、過度のブーストによる過回転(今回の森本 笑)によって本来浮いているはずのベアリングがシャフトに接触してしまいクリアランスが広がってガタが出て、さらには上のオイルシールまでも摩耗させます。
ちなみにですが、この焼けた状態でもブーストはきちんとかかります。始動時に白煙が少し出てただけです。
ターボ車にお乗りの方はガソリン、ディーゼルに関わらずオイル交換は頻繁に行ってください。ロングライフのオイルなどは関係ありません。5000km以内に交換をオススメします。