旧車(アウディ)に30年近く乗る森本にとって、最新のエンジンは凄すぎる構造をしています。とにかく進化が凄いんです。 しかし、新し過ぎて斬新なだけに従来の故障探求では通用しないトラブルもまたあります。このワーゲンのTDIエンジンのオーバーヒートもまた自分を悩ませた構造をしていました。
販売車両でしたので尚更焦ります。
これTDIエンジンの新品のウォーターポンプです。こんな動きをします。普通のウォーターポンプには無い「シャッター」が動いてウォーターポンプの本来の目的である水流をとめます。どうしてシャッターが採用されたかというと、ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べて暖気時間が長いのです。なので冷間時にこのシャッターを閉じてクーラントの循環を止め暖気時間を短縮させ、暖気を検知するとシャッターを解除してウォーターポンプ本来の目的である循環を機能させます。
しかししかし
この画像ですが、右が正常なポンプ。左が今回オーバーヒートで外した不良ポンプです。通常は電気信号でシャッターを閉じるものが、固着していて常時閉じてしまっていました。暖気後もクーラントが循環しないのでオーバーヒートしてしまったわけです。
このエンジンは新しいのになぜかタイミングベルトが使われていて、ウォーターポンプも組み込まれているので、交換の際はタイミングベルト脱着が必要です。
見辛いですが、タイミングベルト脱着には特殊工具(SST)が必要でした。
こんな工具セットが必要です。すぐ会社に買ってもらいました(笑)
ウォーターポンプ交換後、テスターで水温の実測値を確認し、試運転や始動点検、空調点検整備を実施。問題が無い事を確認し納車となりました。
当社はお客様に安心して乗って頂くために販売車両には保証が付いており、輸入車特有の不具合が発生したとしても併設の自社工場での迅速な対応が可能です。
※今回の作業も保証期間内でしたのでお客様負担はありません。
おまけ
自分の車なのですが、先日通勤しようと乗り込んだらバッテリー上がりでエンジン始動せず。ボンネットを開けてエンジンルームの臭いを感じた瞬間にボンネットを閉じて乗るのを瞬時に諦めました。 オルタネーターの焼けた臭いがしたのです。
旧車なのもありますが、このクソ熱い気温も影響してオルタネーター内部が焼けてしまい漏電したようです。トホホ。。。。。
※缶ビールが写っていますが、たまたま置いてあっただけです。飲みながら仕事してるわけではありません(笑)