長期でお預かりしていたポルシェ930ターボさん。先日やっと納車できました。
当初は不動車で入庫していたので起こすまでに時間がかかり、始動できても納得行かずに底なし沼にハマっていきました。
難関がこれでした。Kジェトロというボッシュの天才がつくった燃料噴射システムです。画像の中央にピンが見えますが、奥に入ったまま固着しています。
これをゴニョゴニョして綺麗にして元に戻しました。
これもKジェトロの画像ですが、分解したら調整しないといけません。調整は3mmの細い六角レンチで角度にして数度です。凄く繊細な部分であり、構造がわからないと触ってはいけません。この部分は自分が入社したときは中井さんに「絶対触るな。元に戻らなくなるから」と言われたものです。それが今となってはバラバラにしている自分·······
調整台ごと外してしまい、後戻り出来なくなった図(笑)
基準値まで教えてくれる所なんてありませんので(そもそも非分解が基本なのでマニュアルがないのです)リアルな情報以外は自力で数値をネットで取得しました。
ウエストゲートバルブも年数を考慮してOH。オーバーホールキットは国内になくて本国オーダーでした。破損させたら終わりみたいな作業でしたので作業は緊張しました。
案の定、内部のダイヤフラムが破れていました。
錆が酷くて磨きながら組み付け。
新品のダイヤフラム。
プレスで組みます。
完成。部品は全て分解して洗浄してから耐熱塗装しており、実際に見た目は新品のような完成度なのですが、車両に付けると外から見えません(笑)
他にもタンクの錆、点火系の故障、配線のショート、リレーの焼損、ユニットのハンダ浮き、、、、、、書くとキリがありませんでしたが、高速で飛ばせるくらいにまで復活させました。今回の修理に関しては多くの方にご教授頂き感謝でいっぱいです。協力してくださった方、本当にありがとうございました。ちょっと旧車の中身を知ることができました。お客様にも大変なお時間をいただきましたが、納車時に喜んで頂いてホッとしたのと、数ヶ月に渡って自分を悩ませながら一緒だったポルシェさんとお別れするのが少し寂しかったです(笑)
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おまけ
子供が80超えを釣りやがったのですが、さすがにこのサイズになると一人では揚げられませんでした。重みでタモが折れたので新調しないといけません。
これ、フェイスブックで売られていたエンジン模型です。数百点の金属パーツを組み立ててモーターで動かせるというものだったのですが、実際に届いたのがこのゴミのようなエンジン模型。小学生工作レベルのエンジン風のただの樹脂の塊です。森本、詐○に遭ったということです(笑)皆さんも注意してください。