おはようございます。今回はベンツw203の室内で聞こえる異音についてのお話です。
症状としては「カチャカチャ」「パキパキ」という実に嫌な音がダッシュパネル、またはオーディオ付近から発生するものです。エンジン始動直後、またはエアコンパネル操作時に発生します。 これはW203(ベンツCクラス/2000~2007)では典型的な故障の一つであるエアコンフラップモーター、リンク廻りの損傷です。症状が確認できたらまずは上の画像の状態くらいまで分解します。
フラップモーターとは温度・風向きの切り替えを行っている各モーターです。モーター軸にリンクロッドまたはギアが付いていて、それがフラップを開けたり閉じたりします。上の画像の中で4か所を青丸で示してみました。左右独立式のエアコンなので中央2個が左右それぞれのベンチレーション(真ん中から出る風)、外側2個は左右それぞれの足元用のフラップモーターがあります。
この状態でテスター診断してみます。もし故障がこの4つの中にあればラッキーなのです。ちょっとコツが要りますがこの状態で修理可能です。しかし、これ以外だとダッシュボード脱着という羽目になります。最初に分解したのはどちらにしても修理するのに分解する1段階目とうことです。テスター診断で祈るばかり(笑) ダメならこのままダッシュボード分解のステージへ進みます。 画像の一番上の項目に規定位置とあります。これはスイッチとフラップモーターのあるべき同期位置を示していて、例えばこの場合だとベンチレーションですから真ん中の送風がMAXで操作した場合はフラップもMAXで開かなくていけません(10000という数字の詳細は無視して良いです)。
しかし、実測を見ると65535という訳わからん数字ですね。このかけ離れた数値が何を示しているかというとモーター軸とフラップの間が損傷してモーターが空回りしてしまっている状態なのです。テスターではモーター個別に数値として見られるのでどのモーターが故障しているかがわかります。今回の場合は右のベンチレーションフラップの故障で間違いありませんでした。森本の神の手で外します。
これがテスターでダメと診断された「右ベンチレーションフラップモーター」です。足元用のフラップはリンクロッドですが、このベンチの駆動はギアです。 プラスチックのギアが真ん中で割れているのが良くわかります。これが異音の原因。モーターが動くとフラップも動きますが、フラップが限界位置に達してもギアは割れているのでモーターが回り続けて軸が空転し「カチャカチャ」「パキパキ」と鳴ってしまうのです。
左がダメダメギア。右が新品です。 明らかに材質が違いますね(笑) 対策品なのでしょう。今回の場合はモーター側内部でも損傷があった為、モーターも一緒に交換しました。テスターはやはり便利ですね。他店でダッシュボード脱着と診断された方、もしかしたら手前4個の中の1個かも知れません。
車から発生する(明らかな)異音は機械的にも精神的にも良いことがありません。愛車の異常に気が付いたらすぐに点検を依頼してください。
おまけ
今年もそろそろ年末恒例の食材を準備しなくてはいけません。子供が画像のように喜ばないと意味がありませんので見た目に珍しいものを物色中。 今、候補として今あるのはスッポンです。これを生きたまま北海道へ配達してもらって捌いて鍋にしようという・・・・。以前に挑戦した伊勢海老のようにはいかないようですが、あまり難しくないようです。一番難しいというか素人が断念するのは最初に行う首を引っ張って”ちょん〇る”ことらしいです。 自分なら無表情でちょん〇る自信はありますが、そこからの作業はこれから勉強します(笑)