今回紹介するのは、特に不調が無いのにエンジンチェックランプが点灯したという故障修理を依頼された、カイエンSハイブリッドです。
何点かあるフォルトメモリ-の中で、着目したのはバンク1のセカンダリー・エア・システムの故障です。これは触媒コンバーターをより効率よく作動させるたっめの二次排ガス対策装置で、エアポンプにより未燃焼ガスを触媒の上流側に空気を噴射する事で再燃焼させ、その熱を利用して触媒を作動温度までより早く加熱する機能を果たします。排気ガスの浄化を補助する装置なのでエンジン不調は感じられませんが、エンジンチェックランプは点灯します。
順番に点検していきますが見える所には不具合が無く、症例でシリンダーヘッドの排気ポートに二次空気穴があり、排気ガスに含まれる燃えカスがその穴に詰まり機能が損なわれるという事です。
フォルトメモリーがあるバンク1側のエキマニを外します。
ちょっと見ずらいですが、予想どうり穴は詰まっていたので細いドライバー等で綺麗に掃除をして元に戻します。
当然バンク2側も同じ状況と思うので同じ作業をします。こちらにはHVなのでインバーターが含まれるパワーコントロールユニットが付いていて外さなければならず、わかってないと超危険です。
全ての作業が終わりリセットして完了です。エンジン不調が無く、一度リセットするとしばらくチェックランプは点灯しないので様子を見て頂きます。