最近は立て続けにアウディの時間のかかる整備ばかりしている森本です。15年以上経過しているアウディが車検や一般修理でどんどん入庫していて大変なんです。画像は車検でお預かりしたアウディです。テンションアームの付け根の状態なのですが、ブッシュの状態がこのままだとわかりません。バーで弄ってもガタもほとんどわからないので持ち込み車検でも合格してしまうと思います。
これが外した状態。ブッシュは完全に抜けてしまっています。取り付けた状態でガタがわからないのは茶色く見える部分(半月のカラー)が作動を制限している為です。なぜ抜けているのかが分かったのかというと、実際に走らせてブレーキを踏んだ状態での挙動でわかります。ここのブッシュがダメなのでブレーキを踏んだ後、わずかに車体が前に動いてしまいます。今回の場合はブッシュ付きのアーム交換を余儀なくされましたが、交換後はブレーキの効きが良くわかるようになりました。これも「安全」に繋がる整備なのです。当社は単純に車検にパスさせるだけの点検・整備をしていませんのでこのような細かい所を重視しています。本来の欧州車の持っている性能を発揮させるには見えない部分の整備が大切なんです。
これは同じ車両でフロントのマルチリンクのアッパーアームを交換しているところです。本来はこんなショックやブレーキが付いたまま取り外す事はないのですが・・・・
年式から錆で固着したのか、前回整備した方がボルトを締め過ぎたのか?・・・それは置いておいて、とにかくここのボルトが抜けませんでした。よってこの部分だけは森本の神の手でも不可能と判断して専門業者にボルトを抜いてもらいました。下手に作業すると画像では良くわかりませんがナックル部分がアルミなのでポッキリ折れてしまうのです。業者さまに作業して頂いてアームも交換し、無事に車検を終了させることができました。
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おまけ
不動車のフリーランダー2が入庫し、セルモーターがダメなのは特定したのですが、工場内に入れるにしても出すにしても病み上がりの社員達に人力で押してもらうのは心もとないので神の手で復活さでてみようかとセルモーターを分解。
ブラシのベースも配線も崩壊していましたが諦めません。
手持ちの配線からニクロム線だけを抜き出し、細かく編んでからブラシと半田で結合させ、ブラシのベースのプラスチック部分を溶かして成型し合体。
車体に取り付けていざスタート!
「キュルキュルキュル~キュル・・キュル・・キュル」
「ポンッ!」
「・・・・・」
完全にセルモーターは崩壊しました。回った時は「俺、すげー」と思ったのですが、さすがにセルのトルクと振動には半田ゴテで成形した部品では耐えきれなかったみたいです。
結局、社員を集めてまた人力で押して出してもらいました(笑)
笑えないですが。