名車ランチア・デルタです。初代は1979年ですが以降に製造されたグループAのホモロゲーションモデルであるHFデルタが有名です。いつ見てもカッコいいです。
第二世代でイプシロンのような顔つきになり、これが第三世代。かつてのゴツゴツしたイメージは払拭されてスタイリッシュになりました。ちょっとさびしいです。
これは先日車検でお預かりしたデルタ・インテグラーレです。メーターのデザインも含めてこの”走りの雰囲気”は新しい車にはないものです。いつ乗ってもその気にさせられます。それとは裏腹に天張りやアルカンタラのシートなどに高級な素材を使っているあたりに本来のランチアが高級車メーカーであるということがわかります。この辺も面白い車です。
そんなHFデルタも最終モデルであるコレッツィオーネの販売から15年が経過しています。その生い立ちから構造上エンジン廻りは特殊で無理がある車であるが故に困難な整備を年数の経過によってさらに難しくしています。追い打ちをかけるようにパーツも供給が打ち切られて入手も難しく、これらを含めてもこの車を維持するのは相当大変かと思います。それでも世界中に現在もオーナーがいるのはこの車がやはり魅力的であることを物語っています。
おまけ
もう15年も前ですが森本はランチアを扱うディーラーに勤務していたことがります。そこで生涯忘れられない出来事がありました。入社してまもない頃、同期の短大出たてのメカニックが先輩メカニックのブレーキエア抜き作業の手伝いをしようとしていました。自分は恥ずかしながらエア抜きをしたことが無かったので同期のそのメカニックがエア抜き出来るなんて凄いなと思って見ていました。先輩メカニックが「エア抜きするから車に乗ってくれ」と言いました。ブレーキのエア抜きですからペダルを踏んでくれと伝えたのですが、それを聞いた同期のメカニックがやってしまったのがコレです。
知らないというのは恐ろしい事。知ったかぶりはダメです。
先輩メカニックは足回りにいたのでその奇行に気づかず、「ブレーキ踏んでくれ」と言われたそのメカニックは「どうやって踏むんですか~」と言っていました。漫才のような光景でしたがすべて実話です。ちなみに画像はイメージですが155でした(笑)