車検でお預かりしたフェラーリ308です。10年間も熟成されつつ製作されたモデルで販売開始は1975年ですから森本の生まれる前になります。1981年にキャブレターからインジェクションへ変更、翌年にヘッドが4バルブ(クワトロバルボーレ)化されました。この車輌はその308QVとなります。
驚くほど乗りやすく調子がいい車でお客様も満足されているようだったのですがお預かりしてすぐに不具合を発見。 試運転してからエンジンを止め、しばらく放置後に再始動しようとしたらセルは元気に回るもののエンジンが全く掛かりません。 森本壊したか!?と思いましたが、エンジンを冷ますと普通に始動します。 試しにもう一度エンジンを完全暖気して止めて10分程放置。 セルを回しても始動しない症状が簡単に再現できました。故障探求に入ろうとしますが短大で「名前だけ覚えていればいい・・・」と流された記憶があるKジェトロというインジェクション方式。 勉強して実際に触って調べての繰り返しでようやくたどり着いた怪しいパーツが画像のフューエルアキュムレーターです。
どきどきしながら交換させて頂いた新品のアキュムさん。約10万円・・・・。
燃料ポンプとフィルターの間に取り付けられており、エンジンに送るガソリンの圧力を保持しているパーツです。エンジンが始動しない症状の時に燃料ポンプは回るが全くガソリン臭がない・・・・・エンジンが冷えていれば症状が出なくて完全暖気後の更に暫く放置後に症状が出るという事で調べるとこの手の古い車で見られる「パーコレーション」という症状のようでした。燃料ラインにあるガソリンが(停止した)エンジンの余熱で沸騰して気化してしまい所謂「エアが噛んだ」状態になるというものです。 パーコレーションを防ぐにはガソリンを冷却するか燃料ラインに圧力をかけておく方法があり、アキュムレーターは後者の役割があります。
交換後は始動性が向上して完全暖気後も関係なく一発始動するようになりました。パーツ代が恐ろしく高額だったので正直ホッとしました。 K(KE)ジェトロでまだ頑張っている輸入車がまだありますのでエコカーとは全く逆ですが今後も古い車も平行して勉強していきます。
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