入庫した88年の911です。通称930型と呼ばれる初代ナローから二代目の911になります。この930までこそが真のポルシェだ!というマニアが世界中にいます。それはこのモデル以降の911が全く違う車になったからです。 この930の次に登場した964からポルシェは乗り心地と安定性を重視しました。その結果がフルモノコックボディであり、サスペンションのコイルスプリング化です。930と964は見た目は同じように見えるのですが全然違う車なのです。
この930のボディは現代の車の大半が採用しているフルモノコックではなく、初代ビートル(タイプ1)同様のプラットフォームフレームと呼ばれるものの発展版です。 これは一枚の大きな板に乗っている感覚であって前後のトーションバーサスと、低重心のフラット6と相まって現代の車にはない挙動をします。 それ故にこの車は現代の車と同じ感覚で峠なんぞ攻めようものなら痛い目を見るでしょう。 930は運転する人に技能がなければそれなりの走りしかしてくれず、調子に乗ればスピンしたり怖い目に遭わせてくれるまさに”男の車”です。
この車輌は88年式なのでカチカチ動くゲトラグ製ミッションで普通に運転する分にはそう難しくないです。20年以上の車ということも含めていろんな面で難しい車ではありますが、コレクション用にしようがガッチリ整備してスポーツカーとして走らせようがどっちも可能な極上車あり森本がお勧めする一台です。
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