先週の更新で書いたとおり二台の911を復活させました!
こちらは6年ぶりの復活。燃料が満タンな分、ワニスによる堆積物が多くて大変でした。この車両、純正RSショック(ピロアッパー)が付いているので足がかなり締め上げられてます。
ブレーキに若干の引きずりが見られたのでローターの研磨と同時にキャリパーもOHしました。ポルシェのブレーキは「宇宙一のブレーキシステム」と言われるほど車重に対してオーバークオリティなのですが、その主となるのがこのブレンボキャリパーです。画像のように上と下でピストンの大きさが違っていて「異径ピストン」と呼ばれます。ここでウンチクですが、なぜ異型なのかというとパスカルの原理で径の小さなピストンは作動が早く初期のブレーキ動作で働くためコントロールがしやすいという点。もう一つはローターが侵入する側(キャリパー上部)はどうしてもパッドの減りが早くなるために上に小さいピストン、下を大きなピストンにする事でパッドにかかる圧力を均等にする効果があります。どちらも聞いた話ですが・・・。
こちらは5年ぶりの復活。こちらも同様にラインの堆積物は多かったのですが、タンク内の堆積物は少なかったようです。今回勉強させていただいたのは長期保管する際は満タンとかではなく「動かす」事が重要だということ。改めてわかったのは燃料を満タンにすれば結露しないので錆による心配は少なくなり・・・・・これは確かにそうですが911は樹脂製タンクなのでタンク自体は腐食しません。今回の2台も腐食していたのは燃料ゲージの内部と底にあるスチール部分だけでした(これによってゲージは使えなくなってしまいました)。 満タンにすれば結露の防止にはなりますがその分ワニスが下に溜まる量は多くなるということです。そして燃料ライン内では動かないガソリンが酸化してワニスが溜まります。時々エンジンを始動させることでライン内でガソリンが動き、ワニスによる詰まりは予防できます。 放置している車があったら時々動かしましょう!(森本も冬眠から覚めない2年モノのアウディがあるので人事じゃないですが)
おまけ
関係ないですが、今回大活躍したベンツの燃料ポンプです。これを先に仮付けで組み付けて洗浄剤入りのガソリンを回してライン洗浄しました。堆積物が残っていた場合、新品の燃料ポンプを取り付けても再度詰まってしまう危険があるからです。 今回は2台ともスムーズに作業が進みましたが、整備の中では色々な工夫をしていました。
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