おはようございます。森本です。今回は初めて見た事例です。
BMWの1シリーズ。油圧警告灯と同時にエンジン打音で入庫です。当社はロードサービスに対応していますので引き取りしてきました。
エンジンはかかるのですが、確かに打音があります。まずい感じです。明らかに油圧が発生していないようです。このままだとエンジンが焼き付きます。お客様は警告と打音に気が付いてすぐにエンジン停止したそうです。さすが当社のお客様です。それでは点検に入ります。
オイルを抜いてみましたが規定量には入っています。もう一度新油を入れ、始動しますが変わらず。油圧が発生していないかを確定させるためにオイルフィルターなどの油圧関連のパーツを実際に点検します。エンジンをかけてもフィルターまでオイルが回ってきていません。こうなると油圧を発生させるオイルポンプか、オイルラインの詰まりという事になります。
というか、森本が気になったのはフィラーキャップに付着したエンジンオイル。乳化しているのは珍しくないのですが、大すぎです。
乳化と書きましたが、オイルのキャップに付着している白いマヨネーズみたいな美味しそうな物体のことです。簡単に書くとオイルに水が混ざってしまうのです。エンジン内部に雨が侵入しているわけでなく(笑)、エンジンが吸い込む空気中の水分がエンジン内部にたまっていくのです。
酷いとこんなになります・・・・・。
肝心の画像がないのですが、今回のBMWの原因はオイルパン内の凍結です(!)
画像のバニラアイスを想像して頂けるとわかりやすいですが、先ほど書いた乳化したオイルがオイルパン内で凍結、オイルポンプがシャーベット状になったオイルを吸い込むうちに詰まってしまったのです。乳化したオイルは氷点下で凍っしまいます。どうやって直したのか?というと工業用のヒートガン(ドライヤーじゃないです)でオイルドレンの穴から小さなノズルを使ってオイルポンプを解氷し、オイルフラッシングを繰り返しました。油圧も正常に戻り、打音も消えました。輸入車のエンジンはオイル不足、オーバーヒートには強いので少しくらいなら原因を取り除けばその後の使用にはほとんど問題ありません。これで今回の修理は解決です・・・・・ではありません。
自動車の修理というのは不良個所を見つけて修理して、それで解決ではありません! なぜそうなったのか?を解決・対策しないと終わらないのです。今回の場合はオイルの乳化です。それも大量な。実際にこの車両は距離が伸びていなく、聞けばお客様はほとんど「チョイ乗り」だそうです。そして極寒地にお住まい。乳化が進んだ原因はオイルが完全に温まらない状態が続き、オイルパン内の結露が繰り返されてしまった為です。極寒地ということもあり完全に凍ってしまったようです。お客様にはエンジンの適正な温度、悪影響などを説明し、納車となりました。
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おまけ
森本、先月誕生日を迎えました(まだプレゼントは受け付けています)。プレートの「ぼろまけだね」の意味は聞かないでください。
プレゼントはこれでした。これで森本は掃除機係から解放されました。こっちの方が森本よりも丁寧らしいです・・・。ルンバ君は兄弟がいて、兄が掃除機をかけた後、弟がモップかけをします。家に居なくても外から遠隔操作、掃除している状態のマップ(邪魔なものなど)がわかります。家にいてもグーグルアシスタント経由で「ルンバを使って掃除して」と話しかけると勝手にルンバ君は動き出します。ついでにテレビまで声で操作できるという・・・。だんだん人間がダメになるのがわかりますね。