森本です。天気が不安定な日が続いてますが今週も頑張っていきましょう!
「エンジンからの異音の探求」はよくあるお客様からの依頼事項です。最近、音の探求で悩んだ車が画像のベンツなのですがお客様の言う音の原因が自分の見解と違ってしまった例です。ベンツのV8エンジンです。1本のベルトでこれだけ回してます(V6も基本同じ)。ベルトを一旦外し、各部を手で回してみます。一番故障頻度が多いトップのアイドラプーリーを回すとゴロゴロと手に伝わってきます。まずこれ駄目です。続いてテンショナー。ベルトの張力を保っているパーツで以前、バラバラになってしまった例もありました。これも手で回すとゴロゴロ。これも駄目。他は問題ないので2点のパーツをオーダー。交換後は非常に静かになり完治したように思ったのですが・・・・・。
翌日、冷え込んだ朝にエンジン始動。「キ・・・キー・・キ・・・」 青ざめる森本。 しかし異音は数秒で止まってしまいます。 数時間後、エンジンを完全に冷やして始動するとやはり同じ音。 暖気を少しでもすると音は全く聞こえなくなるようです。また探求をやり直しです。
また翌日。冷えた朝に再度エンジン始動しながらの音の探求です。数秒しか症状が出ないので準備万端にしてから作業します。あらかじめ耳にドライバーを当てて精神を統一しながら聞きます。ウォーターポンプの付近に僅かに「キー」という質の音が聞こえました。数秒の異音の原因がウォーターポンプと判断しお客様の了解を得て交換。 翌日の朝。ちょうど冷え込んでくれた状態でエンジン始動。音は全く聞こえません。完治したようです。
今回の探求はかなり時間がかかってしまいました。納車までの間に気温が高くなってしまっていたら再現できずに最初の修理だけで終わらせてしまっていたかも知れません。最初に交換したパーツは確かに不良でしたが、お客様の気になる音の原因ではなかったようです。 ピンポイントで最初からウォーターポンプを交換すれば依頼された仕事だけはできたかも知れませんが・・・これは難しいですね。最初から調べもしないで「全部交換です」と言ってしまえば楽ですし直る確立もかなり高いのですが、ジャパトレ工場部門としては面倒ですが一個一個探求して本当に駄目な部品は交換、まだ使えるパーツは使う(予算があれば予防で交換しますが)という方向で作業しています。
・・・・と言い訳も混ぜつつ今回は終わりです^^;
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