おはようございます。森本です。道内は今日から水曜まで大荒れになるようです。可能な方は通勤などは地下鉄を利用した方が良いかも知れません。
車検で御預かりしたベンツのS550(w221)4マチックです。始動時を含めて車体の振動がハンドルにまで伝わってきていましたのでエンジンのマウント(エンジンの振動を吸収する部品)を交換です。
エンジンルームから覗くと上から見えますが、このままでは交換できません。泣きそうな作業の始まりです。
左右のキャタライザーを外し、ま、何やかんや外します(笑) 全国どこかでw221のマウント交換をしようとしている整備士さんがネットで交換のネタを探していると思いますが(自分もそうでした)、4マチック(4WD)はどこを探してもないと思います。今回は私が解説します。 作業する上で2点、ハマるポイントがあります。 パーツは通常の221(FR)と同じく左右のキャタライザーなのですが、フロントにデフが付いているのでデフのヒートガードなど外すパーツがちょっと多いだけです。ドライブシャフトやフロントのペラシャフトなどは外さないです。 まず、1点目はマウントセンター上部のボルトが普通の工具では入らないという事。私はその場で専用工具を作ってしまいましたが、無い方は何で?何で?としているうちに1時間は潰れるでしょう。
左が取り外したマウント。右が新品。13mmの高さの違いがあります。これだけ潰れてしまっていたのです。エンジンクレーン、もしくはハンガーでエンジンを吊っておき、隙間を作って古いマウントを抜いきます。そして今度は新品を入れるのですが、画像のように高さが違いますので外した状態よりもさらにエンジンを持ち上げて隙間を作る必要があります。これが2点目の問題点。デフが付いている右側はエンジンを上に持ち上げても新品が入る程の隙間は作れません。構造上、エンジンをどんどん上げていくと右を支点にして左ばかり上がっていくからです。 じゃ、どうすればいいのか?といいますとエンジンを上下左右に動かしてマウントを乗せるフレームとマウントとエンジンを繋ぐブラケットの位置と角度でベストを探すしかないです。車によってココは違うので解説不可能なんです。後は頑張ってください(笑)
今回はATのマウントも交換しました。作業後は振動が消えて快適になりました。マウント交換は私のお勧めの整備の一つです。特に4マチックなどはエンジンとデフが一体になっているためにマウント交換によってエンジン位置が上がるとデフも上がります。デフも上がるとフロントのドライブシャフトの角度も変わります。振動だけでなくハンドルも軽くなり、エンジン位置が修正されると各ホースやハーネスの位置も適正になり負担も減ります。欧州車の場合の多くはエンジンマウントは単なるゴムではなく中にオイルが封入されていますので、それが漏れてしまうケースもあります。