おはようございます。森本です。今日は”おまけ”がマニアック過ぎました(笑)
売れに売れているスズキ・ハスラーの新車にENDOX施工しました。画像は施工後です。 ハスラーは鈴木会長が会食の席で99年に生産終了していた軽のクロスオーバーである「Kei」の後継を望む声を聞いて軽自動車のクロスオーバー車の需要がまだまだあると判断し、ハスラーの開発を命じたという話があります。 ま、そんなウンチクは置いといて、とにかく売れているのです。 だから森本はいつかENDOXで入庫するだろうな・・・と思っていたら現実になってしまいました。
軽自動車というのは価格帯から防錆に関してはほぼ「されてない」と思って頂いて結構です。実際に何も処理しないと道内で年中乗っていたらすぐに錆が発生するでしょう。 しかし、それは作りが悪いのではなく融雪剤を撒きすぎているので仕方ないことなんです。今回、初めてハスラーの下廻りを見ましたが樹脂パーツは鉄製の燃料タンクをガードしている全面のカバーのみ。他は基本的に鉄板がむき出しなので見た瞬間に「こりゃ全塗りだわ・・・」と思いました。画像のようにフロア全面をENDOXで覆いました。
ハスラーに限らず、軽自動車全般に言えますが「耳」と呼んでいるこの部分が弱いのです。ボディのドアの下部分です。ENDOX施工の場合、ここを重点的にペイントします。前にも書きましたが、空いている穴は絶対にふさがないこと。塞いでしまうと融雪剤が抜けなくなるからです。
ENDOXを施工したら終わりではありません。このように車のフロア、フレームには必ず穴があるのです。ENDOXはその中までは防錆が届きませんのでマルチワックスという特殊なグリスを使って内部も防錆します。これには専用の360°噴霧できるノズルを使います。画像では穴から少し垂れているのがわかると思います。ドイツ車の場合、新車時にはあらゆる所からこのようなワックスの垂れが見えます。それくらいドイツ車は防錆をきっちりしているという事です。ま、それでもENDOXなどで保護しないと融雪剤に負けますが。
ペイント中はボディやエンジンなどはアホみたいに養生しています。ENDOXをなめてると痛い目に遭うからです。
これ、ドア部分を養生しているマスカーと呼ばれる紙なのですが、下廻りだけの作業なのに画像のようにENDOXが飛散しているのがわかります。モヤモヤ~っと黒いのがENDOXです。ゴムの粒子でさらに溶剤が入っているのでボディに付着して定着してしまったら水洗いでなど落ちません。だから養生が凄く大事なのです。ボディだけでなく、下からENDOXを吹き付けた場合にフェンダーやバンパーの隙間から上に向かってENDOXが漏れてしまう事やエンジンルーム、デフなどにも極力付着しないように下側も養生しています。 ENDOXはちょっと高額ではありますが平均4~5時間くらいの作業として考えると当社の価格は安いと思います。作業自体も他社には絶対マネできないクオリティを誇ります。自分で言うなという感じですが(笑) だからメインで作業する森本としてはもうちょっと値上げしてくれと内心思っているのです(笑) ハスラーに乗っている道内の方で防錆をしていない方。そのまま冬の高速など乗ってしまったら錆だらけ確定ですので何かしらの防錆処理(ENDOXのような強力なもの)を御勧めします。
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おまけ
車というよりも機械基地外としては会社で一番だと自負(?)している森本ですが、皆さんは「NOS」というものを知っていますか? NOSとはナイトラス・オキサイド・システム (英:Nitrous Oxide Systems、NOS) の略で亜酸化窒素(笑気ガス・N2O))をエンジン内部などに噴射する システムのことです。タンク内の液化ガスは大気に放出されると一気に「-60℃」となり酸素濃度が倍以上になります。それをエンジンに吸わせると爆発力が上がってパワーも上がるという仕組みです。元々は第二次大戦中にドイツ空軍の航空機用にエンジン冷却や高度でのエンジン出力低下を助ける為に開発されたものです。ドイツってやはり凄いです。
「ナイトロ」という語源から「ニトロ」と勘違いされますが、ニトロ=ニトロメタンはレース用燃料であったりロケット燃料であったりとナイトロとは全く違うものです(仮にガソリン車にニトロを入れたら一気にエンジンオイルがダメになって即エンジンブローします)。NOSはタンクから放出するものであり空(カラ)になれば当然使えません。ですから基本的に室内にNOSのスイッチがあり加速したいときにスイッチONで使うものです。上の画像は映画「ワイルドスピード」のものですがシートの横にNOSタンクがあります。日本ではこの映画で一気にNOSの知名度は上がりましたがアメリカでは昔からあるチューニング方法です。
映画の「60セカンズ」でニコラス・ケイジが乗るエレノアにもNOSが積んでありました。
これはその映画に出てくるエレノアのレプリカですが、トランク内にしっかりとNOSタンクが積んであります。
映画の中ではシフトノブに「GO-BABY-GO」というボタンがあり、これを押すとNOSが噴射されて追いかけられているヘリコプターから主人公が逃げ切るという「ほんとかよ」という演出でした(笑)
NOSは専用タンクと噴射する為のソレノイドとノズルがあれば簡単に取り付けできるのですが、セッティングを間違えると面倒な事になる(エンジンブロー)ので中々普及しません。基本的なレースで使うものでもありませんし、タンクを補充するのに数万円もかかってしまうことも普及しない点です。 アメリカでさえ「フェイク NOS」という室内に飾るタンクだけの商品もあるくらいです。日本でも自作した「NOS風タンク」を室内に飾っている方もいます。 自分、実はこのNOSキット(本物のフルキット)を持っているのですが取付けはしてませんでした。最近になって(趣味の範囲なのですが)センターパネルを自作してNOSの専用スイッチを作り、今はセンターコンソールを改造してタンクを固定するブラケットを製作しています。 見せられるクオリティになったら画像をアップします。 愛車が本物の「NOS搭載車」になるのか、単なるダミーで終わるのか、本人もまだわかりません(笑) ※ちなみに当社ではNOSの取付けは行っていません。
ジャパトレに絶滅しかけている化石のような車弄りバカがいるという事で今日は終わりです。