森本です

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今日はATFのお話です。

エンジンオイルと違ってATF(オートマチック・トランスミッション・フルード/AT作動油)のメンテナンスに関してはあまり気にしない事が多く廃車になるまで無交換ということも珍しくありません。実際にメーカーから「交換不要」と指定されている事が多いのでディーラーさんでもATFの交換は積極的に勧めてはいません。本当に不要なのか、実験として実走3万キロ未満のビートルのATFを抜いてみます。

落ちているのを見ている分には綺麗に見えますが・・・

オイルパンの底にはこれだけスラッジがドロドロと溜まっています。

オイルパンの底に固定されている磁石にはこれだけの鉄粉が付着していました。

そのドロドロを濾過(ろか)しているこのATフィルターは大変です。汚れれて詰まれば吸い込みも弱くなるのでATFよりもこのフィルターを交換することが重要かも知れません。左が新品。右は汚れで真っ黒です。

見てしまうと精神的に宜しくないドロドロなオイルパンと磁石を徹底的に洗浄して組み付け・・・

新しいATFを入れるわけですが、規定の量を測るにはこのようなテスターがないと駄目です。AT内にある温度センサーを監視しながら規定の温度でATFの量を基準値に調整します。このビートルの場合はATFの温度が35~45℃の間ですが、ボ~としていたら一瞬で過ぎてしまいます。面倒な事に温度が過ぎたらもう駄目。冷間からやり直さないと駄目なので送風機などで一旦ATを冷やさないといけません。この理由からワーゲン系に詳しい工場さん(ディーラーさんを含む)へATF交換を御願いすると一日預かりになるのです。

ちなみに今回はATFにアッシュを使ってみました。交換前は変速ショックもなく不具合が無かったビートルなのですが、交換後は「トン・トン」と変速していきます。正直なところ明らかに「変速してます」みたいな感じ。人によってはショックが大きくなったと感じる方もいるかも知れませんが、これはアッシュが意図的に狙ったものだそうです。一般的なATFはシフトアップ時のショック(つながり)を緩和するためにクラッチを滑らせているのに対し、アッシュのATFは余分に滑らせずに動力を伝達させます。それがこの「トン・トン」のようなフィーリングなのだと思います。交換後のビートルは確実にクリープ力も強くなってスピードの乗りも早く、ダイレクト感が増しました。

”ATF 無交換”とググると2万件くらいヒットしますしATFのメンテナンスに関しては永遠のテーマみたいな感じですが、ATFは非常に高温下で使用されるので確実に酸化・劣化していくものですから自分としては予防での交換をぜひお勧めします。そしてダイレクトなフィーリングに変えてみたい方にはアッシュのATFを一度お試しして頂きたいと思います。 きれいにまとまった所で今日は終わりです・・・笑

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