札幌は重い雪が積もっています。今日は朝から除雪でした。時間に余裕をもって安全運転を心がけましょう。
ポルシェ マカンのクーラント漏れ修理です。「冷却水不足」のメッセージが頻繁に出るようだと、ほぼ間違いなく漏れています。ポルシェ製V6エンジンのクーラント漏れ点検は基本的にインテークマニホールドを取り外すのが基本です。
早速インマニを外すとウォーターポンプ付近にクーラント漏れの跡(赤い部分)が見えます。
作業が決まればこのようにバンパー周辺を取り外し、サービスポジションという状態にします。トランスフォーマーのようにフロント部分を手前にガチャンと引き出します。凄い光景ですが。
ウォーターポンプのプーリーを外すと裏側はこんな感じでした。ポンプから漏れて周辺に撒き散らしていたようです。
ウォーターポンプ、サーモスタット、ハウジングを外すと内部は赤い池になっています。
ウォーターポンプだけではなく、インマニ下にあるベントチューブと呼ばれるクーラントパイプも破損していました。少量の漏れだと、クーラントはフロアに落ちずにVバンク中央に溜まりエンジンの熱で揮発したりして中々漏れがわかりません。
交換するパーツはそのベントチューブの他、ウォーターポンプやサーモスタット、ハウジングのガスケットなどです。
組み付け前の洗浄に一番時間をかけます。スチーム洗浄しますが、その前に汚れの中に重要な物が落ちてたり、スチームに耐えられない箇所がないか等を点検します。
サービスポジションでの作業というのは結構大掛かりですので、この状態でないと交換できないパーツはお客様と相談の上ですが交換させていただきます。マカンの場合はなんとファンベントもこの状態で交換するのが基本です。一般の工場で作業したくないのはこれが理由です。
各パーツを洗浄して組み付けていきます。
エア抜きに時間がかかりますが完成です。マカンは年数もありますが、10万キロ前に漏れ出すケースが大半です。上に書いたように漏れが見えないので気が付かないで乗られている方もいます。 森本はこの手のバラバラ作業が大好きなので気になる方はお気軽にお問い合わせください。喜んでバラバラにします。
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おまけ
在庫車の911ターボ、燃料ポンプの固着で不動になりポンプを純正新品に交換しましたが数ヶ月で固着が再発。
タンク内の汚れが詰まったのは間違いないですが、ポンプのジョイントを点検すると多量の付着物がありました。タンク底に溜まったガソリンのワニスやガム質が詰まったのが原因のようです。
ポンプが新しいので超音波洗浄してみます。時間は掛かりましたがロックが解除されて回りだしました(サビつきの場合は交換が必要)。ストレーナーも外して洗浄。タンク内は綺麗でしたので元に戻して作業は終了です。
車は走ればタンク内のガソリンはゆらゆら揺れて液面は絶えず動いています。自然に撹拌されています。ガソリンは動きながらフィルターを通りエンジンに送られます。 しかし、放置車両の場合は液面は動いていません。当然、水分は分離して沈殿物は底に溜まります。 冬場に動かせない車の場合は燃料タンク内にワニスなどを溶かす添加剤などを入れておくのをお勧めします(当社ではモチュールの燃料添加剤を常時在庫しています)。
超音波洗浄器はなかなか便利で今後も活躍しそうです。